社長を辞めてCTOになった話

社長を辞めてCTOになった話

2019年の正月休みは、意識して、ゆっくりと過ごさせてもらいました。

たっぷりと睡眠を取って、規則正しく生活。子どもと遊んだり、映画を見たり。空いた時間で特に新しいインプットはせずに、昨年2018年のことをボーッと考えてました。

ということで、社長を辞めてCTOになって、少し悩んでいる話をしまーす。

 

あっ。。すません。

タイトルにはちょっと語弊があり、正しくは「子会社の社長を辞めて、というのも子会社が親会社に統合となり、んで、僕は統合後の会社のCTOになった」です。

うーん、ややこしいですね。

そもそも「社長がCTOに」なんて経験談、需要があるか不明なんですが、ただ、当の本人からすると、役には立ってはいるので、少しまとめてみます。
( 以下、文字ばかりです。すみません。 )

 

社長時代で得たこと

もともとは、ロボットテクノロジーを扱う「ワントゥーテンロボティクス」という会社の社長をやっていました。ビジョンは「人とロボットがやさしさでつながりあう未来を、切り拓く。」で、その通り、毎日が挑戦と試行錯誤の連続でした。

ロボットやAIは未踏領域ばかりの分野です。その中で、自らもプレイヤーとして、手を動かし試行錯誤を繰り返しつつ、体験とアウトプットへとつなげていくのは、とても楽しかったです。(当時のお仕事は一部ですがこちら

得られた技術知見を次へとつなげていく経営スタイルも、挑戦ばかりでワクワクを楽しんみながらやっていました。受託一辺倒のビジネスモデルからの脱却も図ろうとして、まぁ、結局はできなかったのですが、自社製品は1.5個くらいできたので良しとします。

 

はて、経営面でいうと・・・、
大きな利益を出して法人税もたくさん納めたときも! \(^o^)/
その一方で、赤字決算となったことも・・・\(^o^)/

さらに経営という観点では、各子会社の社長が毎週集まって会議をするのですが、一度に5つの会社の異なる経営スタイルに触れることができ、多くの学びとなりました。これも得難い経験でしたね。

 

三年と一ヶ月という短い期間でしたが、時流もあって組織は急拡大させました。立ち上げ時はわずかに6名でしたが、最後には30人規模の組織に。
会社のみんなも毎日の挑戦の中で、大きく成長していきました。特に、社長の自分さえ克服方法がわからない難題に対し、それをクリアしていく様子を見ては、僕自身、感動を覚えたほどです。
人を成長させていたつもりが、気がつけば、逆に僕の方が成長させてもらっていました。

 

プレイヤーとして、マネージャーとして、そして、経営者として。

さまざまな視点・視野を切替ながら、365日24時間、命懸けで会社に携われたこと。
その中で、たくさんの失敗とその振り返りと、わずかな成功を味わえたこと。
社長の抱えるタスクやストレスなどを、身を持って知れたこと。
この三年一ヶ月は自分の人生において、とても大きな経験だったと振り返っています。

よく「知ると識るは異なる」と言いますが、社長も同じですね。体験してみないとわからないものです。本当に良い経験をさせていただき、感謝しかありません。
この経験を次に活かしていきますYO!

  

会社がなくなること・統合することへの葛藤

さて、ワントゥーテンロボティクスは、自らが社長を務める会社でしたが、実は株式の100%は親会社のものでした。僕はたったの1株も所持してはいませんでしたが、実質100%の裁量が与えられていました。

2018年6月頃かな? 会社設立3周年を控えた時期に、急遽、親会社より会社統合の話が出てきました。理由は「複数ある子会社を統合することが1→10全体の価値を最大化できるから」です。その理由は頭では充分に理解できました。

しかし、感情的に整理・納得できるまでには、数ヶ月を要したのを覚えています。
今だから言えますが、当時は「会社を辞する」という選択も候補に入れつつ、葛藤と対峙していました。

 

葛藤の主な原因の1つは、約束を果たせなくなるのではないか。ということ。

採用面接では必ず、僕が考えているビジョンを説明して、その実現のために頑張ってほしいことを伝えます。逆に、スタッフに力を発揮してもらえるように、要望をきいて叶えたり、アレをさせてあげたい・コレをさせてあげたいと、いろいろと考えては可能なかぎり実践に移していました。

しかし会社を統合することは、ビジョンは多かれ少なかれ変わってしまうので、彼らと交わした約束を守ることができなくなるようで、それが僕を悩ませました。

結局、数ヶ月かけて葛藤は克服できたのですが、遅かれ早かれ、彼らとの約束がまた果たせるようにしていきたいです。

 

CTOになったけど、技術的に最弱な気がする件

そして2019年。CTOとなって三ヶ月が経過しました。

が、CTOらしいことは、何もできていません。技術戦略も立てれていません。まさに、これからです。

というのも、この三ヶ月やってきたことは、技術戦略の前の段階。
そもそも5つの異なる会社ががっちゃんこしたので、まずはその綺麗な着地を目指して走っていました。そう、仕組みづくりですね。

 

それにしても・・・、僕には尊敬するCTOが数多くいるのですが、単に技術力だけを比較したら、もしかして自分は最弱なんじゃね?、と、ふと考えてしまいます。
なので、考えないようにしています。

ここ数年は経営者として、制作の現場・エンジニアリングの現場からは離れざるを得ない状況にいたため、自身の技術力は圧倒的に下がってしまいました。そもそも、エンジニアとしての最盛期はもう7~8年くらい前だし。

しかし、その代わりに、経営に関する多くのことを身に着けたのも事実。
技術の詳細を知りたい・極めたいという個人的な想いもあるけれど、重要なのは俯瞰して見る能力と、経営戦略との統合ですね。

 

社長となって経営の視点を自らの体で理解した上での、CTO。
なかなか同じタイプの人は少なさそうですが、僕がきちんと社を技術的に牽引することができるか。これから頑張って答えを見出していく所存です。

とはいえ、悩みが多いんだよなぁ。
あー。次回は、CTOとしての悩みを掘り下げてみよっかな? つづく (たぶん)。

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